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お正月に、家族全員が気持ち新たに膳を囲み、新しい年を祝う事は、何と言っても「年中行事」のハイライトだと思います。この大切な行事を、今年も手づくりのおせち料理で、意義ある行事にしたいと、暮からいろいろと準備しました。
最近の錦市場は、いつも観光客が多くて、とても混雑しています。13日の事始め前でしたが、錦市場に買い物に出かけました。いつもの京野菜の店(川まさ)で、海老芋と京人参、蓮根と牛蒡、百合根を注文しました。 |
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白味噌はいつも麩嘉さんにおいてある「山利」の物を買います。年末になると品切れになるので、少し早いですが買って帰りました。 次にお馴染みの田辺屋さん(乾物屋)に行きました。昆布とかつおを買い、新の黒豆も買って帰ろうと注文しましたが、今年はまだ出ていないそうです。そう言えば、今年は松茸の出るのも遅かったようです。黒豆を炊くのに、丸三日はかかります。瓶詰の黒豆にしょうかと思いましたが、二十日までには届けてもらう約束をして帰りました。
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おせちには、数の子とごまめ、たたきごぼうは、三種の祝い肴と言って「子孫繁栄」等の願いをこめた、縁起のよいものです。黒豆は「まめに働けるように」との願いをこめて、つややかに煮あげます。
父(仕出し屋)の炊いた黒豆は、本当に艶があり、柔らかく、上品な甘さでした。大きな鍋を練炭にかけ、一昼夜ことことと黒豆を炊いていました。おたべちゃんも、おたべちゃんのお兄ちゃんも「じーじーの黒豆」と言って、毎年喜んで食べていました。
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父亡き後は、ずっと田辺屋さんで、瓶詰めの黒豆を買っていました。三年程前だったと思います。ふと父の黒豆を食べたいと思い、いつも愛用している辻嘉一さんの本の通りに作ってみました。少し大変でしたが、父の味に近い「黒豆」が出来ました。この時から、黒豆も毎年炊いています。
今年も手づくりの「おせち料理」で新年を迎える事が出来ました。父や母の味を、娘や孫たちに伝える役目を、すこしづづ果たしていきたいと願っています。 |
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=千重子おかあさんの黒豆のポイント= |

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1:1日目
黒豆はさっと洗い、一昼夜、米のとぎ汁につけておく。 |
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2:2日目の1
戻し汁ごと鍋に入れ、弱火で5時間以上ゆっくり煮る。 |
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3:2日目の2
きれいな水にかえ、火にかけて沸騰したら湯を捨てて、新たに水を入れて煮る。これを、3〜4回くり返す。 |
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3:3日目の1
水と砂糖でシロップを作り、昨日ゆでた黒豆を20〜30分煮る。 |
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3:3日目の2
さらに濃いめのシロップを作り、黒豆を漬けておく。 |
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<千重子おかあさんのおせちレシピ> |
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