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薫風かおる、爽やかな季節になってきました。5月5日は端午の節句です。端午の端は、はじめという意味で、端午は月のはじめの午の日ということになります
もともと中国から伝わった行事ですが、端午の日は野外にでて、「百草の戯」といって、薬草を摘んだり、また高い薬効をもつ、菖蒲をひたした酒を飲んだりして、邪気を祓い、無病息災を祈る風習から始まったと記されていました。
日本に伝わってからは、時代を経て、「菖蒲」が、「尚武」に通じるところからそれまでの、単なる厄よけの行事でなく、男子の成長と武運を祈願する祭礼と変わったと言われています。また、節句のお飾りとして、鎧や兜、五月人形を飾りますが、お供えとして、柏餅と粽を供えます。
よく調べてみると、5月の粽も、中国の賢人、屈原というひとの死を悼む供養の伝説からきているようです。毎年、5月5日に竹筒に米をいれ、水に投じて祈っていたのが、後に、木の葉で米を包み、糸でしばった粽になったようです。日本に伝わってからは、笹の葉でつつんだ、おしんこ餅や、葛のお菓子として、作られるようになりました。

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5月、端午の節句になると、柏餅や、粽でなくて、何故か林さん(りんさん)の作った中華粽のなかに入っている、中華風おこわを食べたくなるのです。
私は女ばかりの4人姉妹でしたが、結婚して最初に男の子が授かりました。そうです!
おたべちゃんのお兄さんが生まれた時でした。台湾出身の華僑の方と結婚された林さんが、赤飯でなくて、中華風おこわを、お重一杯つめ、お祝いにかけつけてくれました。干し海老や、干し貝柱、豚肉、椎茸の入った少し濃厚な味のそのおこわは、今まであまり味わったことのない味でした。
次におたべちゃんの生まれた時も、女の子でしたが、お重一杯の中華風おこわをたいて、お祝いに駆けつけてくれました。この時は、不思議に前の味を憶えていて、本当においしく思いました。
その後も、何かお祝い事があると、よくこの中華風おこわを頂きました。三人の息子さんとその他にも大勢の大家族で生活しておられた時は、何かある度にこの中華風おこわを、よく作られていたようです。今は一人ぐらしになってからは、あまり作らないと言われていましたが、「久し振りに作ったえ!」と先日、タッパーに一杯つめて持って来てくれました。
少し足がわるく、歩きにくそうになっておられましたが、味は少しも変わっていませんでした。ふと「ほんまに男の子が出来てよかったなあ!」と言っていた母を思い出してしまいました。(参考文献:冷泉為人著「五節句の楽しみ」)
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