夏の野菜といえばやっぱりおなすですね!今時はどんな野菜も一年中出回っていますが、夏盛りの八月の頃のおなすが、一番美味しいように思います。おなすと言えば、京都の加茂なすと山科なす以外に、日本全国に丸なすや長なす等、形の違うおなすが栽培されています。そしてその土地によってそれぞれ名前がつけられているのを知りました。先日、新潟県の「魚沼巾着なす」というおなすの浅漬けを頂きました。丸なすの一種だそうです。京都の加茂なすより少し小ぶりで、またちょっと京都とは違う風味でした。


お茶漬けの大好きな、京都生まれの京育ちのおたべちゃんは、おなすのどぼ漬けが大好きです。鮮やかな紫色につかったおなすのどぼ漬けは、京のお茶漬けには欠かせません。
私の実家では朝食はいつもお茶漬けでした。おなすの丸かじりの好きな父の為に、母は前の晩に、丁寧に塩もみして漬けていました。おなすの色をよくするために、おなすの方は少し塩を多い目にして、胡瓜の床と別にしていたようでした。
私が中学生の頃だと思います。友達の家にお泊りしたことがありました。朝食に友達のお母さんは、トーストに目玉焼きにハム、ミルクティーを作ってくれました。その時、お茶漬けだのわが家の朝ごはんが、とても質素に思えました。
今年の祇園祭も終わってほっこりした時でした。美味しいどぼ漬けでお茶漬けが食べたくなりました。そう思ったその日の新聞に「夏バテには、野菜ぬか漬けで栄養補給」というタイトルで記事が出ていました。蒸し暑い京都の夏を乗り切るには、ぬか漬けが一番いいようです。米ぬかの中のビタミンBが、漬け込んだ野菜に浸透し、栄養価が高まるのだそうです。そして、発酵過程で乳酸菌が増えるため、整腸効果も出てくると記載されていました。

何で京都の朝ご飯はお茶漬けなのか、本当によく解かりました。おなすと胡瓜の漬かる時間も違います。食べ頃に合わせて、心を込めて漬けていた母を思い出しました。どぼ漬けのぬか床は、その家の味が長く伝えられたものです。今年もおばあちゃんの代からのぬか床に新しいぬかを混ぜて、ぬか床をつくりました。家族の健康を願って、おいしいどぼ漬けを漬けようと思っています。


=ぬか床の作り方=

↑塩でフタをして保存
1:去年から冷蔵庫で寝かしておいたぬか床
↑ぬかを炒る
2:新しいぬかを香ばしく、薄いきつね色になるまで炒る

↑ご家庭の味で・・・
3:ぬかに混ぜるもの:たかのつめ・こんぶ・塩じゃけの頭の焼いた物(各家庭によって違う)
↑おかゆを作る
4:塩:200g 水:5カップ ご飯:かるく茶碗一杯を炊いておく。
(塩と水だけでもいい)

↑新しいぬかを混ぜる
5:1と2のぬかを混ぜる
↑よ〜く混ぜる
6:3を細かく切って混ぜてから、4を少しづついれ、よくねるように混ぜる。
7:大きい容器に移し、いつもこのぬかの固さを保つ
↑塩をすり込んで漬ける
8:野菜に塩をつけて7で漬ける。ぬか床がゆるくなったら、ぬかと塩を入れる。(2〜3日ぬか床が慣れるまで、捨ててもいい野菜を漬ける)

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