六月に入ると、梅や、らっきょうが出回ってきます。この時季しか手に入らないので、一年分の梅干しとらっきょうを漬けるのが、ずっと続いている年中行事の一つです。
おたべちゃんのお父さんは、毎朝、わかめや黒胡麻の入った雑炊に、わが家の手づくりの梅干しを一つのせて食べています。梅干しは強アルカリ性の食品で、昔から薬効があると言われています。そのせいかも知れません。おたべちゃんのお父さんはとても元気です。いつも「おたべちゃんが還暦になるまで生きたい」と言っています。

梅干しは、いつも六月上旬から出回る紀州のものを買っていました。ところが去年の六月に海外旅行の予定が入りました。帰ってからではもう梅は売っていません。どうしょうかと思いましたが、六月下旬にでる「福井の梅」で漬ける事にしました。出来上がった梅干しは、皮も柔らかく、実も厚く、本当に美味しく漬かりました。
福井の梅は、おたべの若狭工場のある、福井県若狭町で栽培されています。約170年の歴史があるそうです。今年は「紀州の梅」と「福井の梅」も漬けてみようと思っています。

=千重子おかあさんの梅干しの漬け方のポイント=
【塩漬け(6月中旬)】

↑漬けた梅のへたをとる
1:少し熟し加減の梅を買ったら一晩水に漬けます。そして、一つづつ、丁寧に傷をつけないように気をつけることが、一番大事だと思います
↑塩をまぶす
2:塩も心を込めてまぶしてください。
↓丁寧に水気をとる   ↓全体に行き渡るように  

↑白梅酢が上がってきます
3:瓶につけて3〜4日してから白梅酢が上がってきます。濁っていない澄んだ梅酢を確認する事が大事です。
↑カビが出ないように
4:かびがでないように、赤じその出る頃まで、見守ってください。

【本漬け(6月下旬〜7月上旬)】

↑赤じそ
1: 本漬けしょうと思う頃、赤じそが売っているのです。
↑葉だけをとる
2:葉っぱだけを取り、何度も塩もみします。山のような赤じそは、ほんの少しになってしまいます。
    ↓塩もみする  

↑赤くなりました
3:塩もみした赤じそに白梅酢を入れると、本当にきれいな赤紫になります。
↑漬け込みます
4:塩漬けした梅と、赤紫のしそと交互に漬け、土用干しの日まで待ちます。

↑並べて干します
5:土用(7月20日ごろ)のお天気のいい日に、梅干としそうをざるに並べ、日光と夜露にあててください。祇園祭りも終わって真っ赤にきれいに色づいた梅を干す時が、至福の時です。    

福井梅について>
福井県の梅には梅干し用の「紅映梅・べにさしうめ」と、梅酒用の「剣先・けんさき」という梅の2種類が有名です。梅干し用の「紅映梅・べにさしうめ」は紅映というその名のとおり、梅の表皮が熟するに従って鮮やかな紅色に染まり、芳香を放ちます。種が小さく、果肉が厚いという特徴があり、やわらかく繊維のすくないおいしい梅干ができあがります。一度、試してみてはいかがでしょう?


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