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秋も深まり、初冬を迎える頃には、ふとあったかい「おでん」や「鍋料理」を食べたくなります。鍋には、冬の京野菜が本当に美味しいと思いますが、やっぱりお豆腐は欠かす事ができません。
特に京都のお豆腐は、水がいいせいでしょうか、どの店のも美味しい気がします。もともとお豆腐は精進料理に使うので、京都では、南禅寺豆腐や、嵯峨豆腐が有名です。我が家では、湯豆腐をするときはいつも、嵯峨の釈迦堂の隣にある森嘉さん(※1)まで、お豆腐を買いに行きます。
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おたべちゃんのお父さんは、この美味しい嵯峨豆腐で、湯豆腐セットを考えました。森嘉さんのお豆腐に、水尾の里の柚子と、九条ねぎ、清水の七味家の七味に、錦小路の田辺屋の昆布とかつおをセットしました。そしてそれに私の、手づくりのつけ汁を添えました。このセットが、我が家のお歳暮として、もう何年もお世話になった人に送っています。
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美味しいものへのこだわりから出来た湯豆腐セットですが、このつけ汁を作るのには、本当に苦労しました。主人から渡された、辻嘉一さん(※2)の「豆腐料理」という本を何度読んだ事でしょう!
辻嘉一さんは、「豆腐には生醤油が一番」と書かれていました。そしてこの本のとうりの割合のつけ汁は、少しからいように思いました。何回もつくり直し、今では、かつおをたっぷり使って、千重子お母さん流の割合で作っています。
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師走に入り、何か気ぜわしくなってきました。いよいよお歳暮のシーズンです。今年も心して、湯豆腐のつけ汁を作りたいと思っています。家族で暖かい湯豆腐鍋を囲みながら、この一年が、無事過ごせた事にも感謝したいと思っています。
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<千重子おかあさんの冬の鍋レシピ> |
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【嵯峨豆腐 森嘉】 有名な140年の歴史を誇る、清涼寺さん横の嵯峨豆腐の老舗です。京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町42 TEL:075-872-3955 営業時間:8時〜18時 定休日:水と第3または第4火
【辻嘉一 ・つじ かいち】1907〜1988 料理研究家 実父は「辻留」の初代料理人・辻留次郎。裏千家からの指導をもとに京都・東山に開いた懐石料理店「辻留」の2代目。「豆腐料理」婦人画報社 絶版。
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