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秋の運動会や遠足等に、お母さんの作ってくれたお弁当の味は、いくつになっても憶えているものです。お弁当には欠かせない卵焼きに、お肉の時雨煮、ほうれん草のおしたし等、まさしくおふくろの味ですね!
私は、母の作ってくれた少し甘い目の卵焼きも好きでしたが、父(仕出し屋)の出し巻きは大好きでした。
コンビニ等なかった時の仕出し屋は、秋の行楽弁当の注文で本当に忙しくしていました。
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父は朝の暗いうちに起きて、まず出し巻きを作っていました。出しと卵を合わせたものを、よくなれた長方形の卵焼き器で、何回も丁寧に巻き込んで焼いていました。す巻きで形を整えて、充分にさましてから、折詰めにまず出し巻きから詰めていっていたように思い出します。
京都の仕出し弁当や、幕の内に出し巻きはかならず入っていますが、その店によって少しづつ味が違うようです。また、出し巻きの味で、その店の味が解かると言われています。出しと卵との割合も大事ですが、焼くのにも熟練がいるようです。 |
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我が家では、紅葉の一番綺麗な時期に、毎年高雄に行くのが楽しみの一つになっています。今年はおたべちゃんから、お姐さん方も行きたいという電話がありました。祇園の芸妓さんは、きっと口が肥えてはると思うので、今年は「菱岩」さんの折詰め弁当を注文しようかと思いました。でもやっぱり、例年どおりに私の手作りにする事にしました。
秋の献立の中から、「栗ごはん、菊菜としめじの和えもの、吹きよせ、筑前煮」それに若狭ぐじの塩焼きをつける事にしました。ただ、出し巻きだけは、錦小路市場の卵の専門店に注文しょうと思っています。 |
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<千重子おかあさんの秋のお弁当レシピ> |
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【京趣味 菱岩】 天保初年(1829年)創業。京で仕出し専門店としてのれんを掲げ、現在で五代目、百七十有余年となる、高級仕出し屋さんです。 |
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