Apr.SPRING
「おばんざい」とは、京都のお母さんの味、お惣菜のことです。旬の食材をつかった 簡単なおばんざいをご紹介
春爛漫の4月はなんと言っても「桜鯛」だと思います。鯛は養殖で安いのがありますが、色がぜんぜん違います。この時期はやはり活けの本物を味わってほしいと思います。鯛は煮ても、焼いてもおいしく、あらまで全部いただけます。子供の頃(仕出屋)母はよく、店から出る魚のあらを煮てくれました。そしてそのおいしい汁で、豆腐や、そうめんを煮てました。錦市場の高級鮮魚店で買うのは、何故かいつも桜いろの鯛の頭とあらになってしまいます。たまには少し面倒ですが、昆布じめをつくり、あわせ酢で料理屋さんの味を、家庭で味わうのも楽しいと思います。
「桜鯛」
「桜鯛」とは魚の種類の名前ではなく、真鯛の別名です。真鯛は桜の季節、3月から4月にかけて旬を迎えます。産卵を控えているために旬となるわけですが、味もさることながら、体の色もとりわけ美しい桜色になり、値段も高くなります。「腐っても鯛」と言う言葉には、わけがあるのをご存じでしたか?鯛の旨味成分「イノシン酸」は分解速度が遅いため、時間が経っても旨味が残り、美味しさが持続されている・・・ということです。奥深い意味があるんですね!
作り方
1.刺身用の身を薄く削ぎ切りにしたものに、少し塩をしておく。
2.酢でしめらせた昆布に、1の鯛の身を並べてまた、昆布ではさみ、ラップで包んで冷蔵庫で30分~1時間程おく。
3.器に刻んだみょうがと、 2の鯛の身を盛ってわさびを添え、Aの加減酢で頂く。
材料(4人分)
鯛の身:3枚におろした刺身用(半身)
昆布:10cm位3枚
塩:少々
酢:少々
わさび:少々
みょうが:4個
A
柚子のしぼり汁:大さじ1
薄口しょうゆ:大さじ1
(少し多い目)
出し汁:大さじ1
Point
加減酢とは?
一塩したものを「加減酢」でいただきます。ポン酢などが最近多いですが、この加減酢でいただくと、ちょっと料亭気分ですね。今回は柚子を使いましたが、レモンや梅肉などを使ったものもあります。
作り方
1.
筍は湯がいて適当にきり、水につけておく。(筍の湯がき方参照)
2.鯛の頭、あらは、適当に切り、ざるに並べて熱湯をかけておく。
3.鍋に、Bの調味料を煮立て、 2の鯛を煮る。(好みでみりんか、砂糖を加えてもよい)
4.鯛を煮た3の煮汁に出汁を少し足して、1の筍を煮る。
5.器に3と4を盛り合わせ、木の芽をのせる。
材料(4人分)
鯛のあら:頭、半分とあら
筍:中、1本
木の芽:少
B
酒:大さじ3
薄口しょうゆ:大さじ2
みりん:大さじ1
Point
鯛は捨てるところがない・・・と言われますね。あらは特に美味しい部分が多いのですが、ちょっと難しいイメージがあります。魚屋さんの店頭にあらが格安で並んでいたら、チャンスです!
作り方
1.鍋にCを入れ、煮きっておく。
2.先に鯛の頭を焼き、少し焦げ目がついたところで、アルミホイルに頭をおき 1でつくった漬け汁をかけ、もう一度、網か、オーブンオースターで焼く。
3.器に盛り、粉山椒をかけて出す。
材料(4人分)
鯛の頭:一匹分の半分
山椒:少々
C
つけ汁(割合表示です)
濃い口しょうゆ:6
酒:3
みりん:1